実践の場で活用するために押さえておきたいポイントを考える。

単に個人の趣味的にカタルタで遊ぶのではなく、目的を持った実践の場で利用される方がいらっしゃるかと思います。当記事は、そのような方に向けた内容になります。

カタルタを囲むテーブルには、大抵の場合、二種類の人間が座っています。カタルタをめくらせようとする人と、めくらされる人です。

このめくらせようとする側に立ったとき、すなわち職場や学校などの実践の場でカタルタを活用しようとするとき、上手な人はどう使っているのか。結論を言うと、上手な人ほど使いどころの見極めが上手いと感じます。

カタルタを取り出して、あ、違うな、今じゃないなと思ったらさっと引っ込める。これはオフィシャルで推奨します。そもそも安易に使わない。これもオフィシャルで推奨します。あの日あの時面白かったからといって、今日も面白くなるとは限らない。自分が面白かったからといって、相手も心から面白がれたものと決めてかからない。それくらいのフラットな視点で臨む姿勢は、上手な人たちに共通していると思います。

カタルタを自分だけで使う分には、このあたりの心配はいらないのですが、人様を巻き込んで使う場合には注意が必要です。楽しむだけならまだしも、なにかしらの目的を持ってカタルタを活用する際は、カタルタがしばしば強制性を伴うものであることの認識が必要になってきます。

カタルタをめくらせる側が強制性に鈍感な場合、不用意に人を強張らせてしまったり、強行してスベらせてしまうということは容易に想像がつくかもしれません。しかしスベらせるだけならまだマシで、不愉快に感じる人、ひどく傷つく人が出てきてもおかしくありません。使いようによっては、小さな無茶振りが大きな無理強いと受け取られることは十分にありえますので、そこは想像力の働かせどころでしょう。いま目の前にいる人の表情をよく見て、話をよく聞き、場を見極める。不穏なサインは見逃さないようにしたいものです。

ところで、他者との交わりの中でカタルタが上手く使える場面というのはどんな場面でしょうか。パッと思いつくものを並べれば、良好な信頼関係がある場合や、関心を共有している場合使用に必然性がある場合目的に切実さがある場合などが挙げられます。

大勢を対象とする場合は、もう少し事情が複雑です。たとえば学校での利用は、社会人が自主的にお金を払ってその場に集まっているようなケースとは違い、モチベーションや関心の程度が放っておいても揃っているとは思えません。早い話が、なんでこんなことやらなくちゃいけないの?といった反応もありえるわけです。

社会人の集まりでも無料の場であったり、イベントのテーマと参加者の関心がズレているような場合は同じようなことが起きえます。カタルタを使うことだけが先に決まっているような場合には特に注意が必要です。

場に目的がある場合、カタルタは手段です。目的と手段を取り違えていないか一考するなら、先ほど挙げたカタルタを上手く使える場面のリストが役に立ちそうです。

  • 良好な信頼関係があるか
  • 関心を共有しているか
  • 使用に必然性があるか
  • 目的に切実さがあるか

場が上記のポイントをすべて満たしている必要はありません。どれかひとつでも当てはまるなら、上手く活用できる可能性は高いと思います。逆に満たしていない点に着目すると、それを補う方法を考えたり、場の目的に沿った意味づけをしたりしやすくなるのではないでしょうか。また、ルールやお題の一文を設定する際の参考にもなるでしょう。こうしたヒントを足がかりに、なんでこんなことやらなくちゃいけないの?という、もっとも避けたい反応を避け、体験を充実させていただけたら幸いです。