「KATARUTA Lab #0」開催レポート


 

イベントの写真を撮り忘れてしまいました。第0回にちなんでカタルタのアイデアが生まれた2007年9月のメモ帳の写真を代わりに。

オンライン・トークセッション「カタルタラボ第0回」が先週8日に開催されました。この新しいプロジェクトの立ち上がりを共にしていただいたのは、二人のゲストと、多様なバックボーンを持つ約50名の参加者のみなさんでした。

ゲストの一人は、カタルタが生まれる創成期の相談相手、倉成秀俊さん。もう一人はナースファシリテーターの浦山絵里さん。ファシリテーターとしてはカタルタを使ったことのない倉成さんが、 カタルタを使ったファシリテーションを多数実践されている浦山さんにその方法を聞く、という内容でした。

>>イベント告知詳細

カタルタラボとは、カタルタの使い方を共有するイベントです。目指すのは、新しい「接続」。人と人。視点と視点。つなぎたいものはいろいろありますが、まずは実践への応用の手がかりを共有し、その先にある展開の足場をつくる場にしたいと考えています。

今回のテーマは、ファシリテーション。浦山さんがご紹介くださった使い方は3つです。どれも場の目的や、ご自身のプログラムに対するスパイスとして使うことが多いとのことでした。

1つ目は、偶発的に引かれたカードの言葉を使って二人で話すというもの。実践されているプログラムの流れの中で自然に組み込まれるため、使い方に名前は付けられていません。思考のプロセスのベクトルを散らし、「出てきた言葉に自分でびっくりすること」がお気に入りだそうです。

2つ目は、アイスブレイクとして名刺の代わりにカタルタを交換して自己紹介を行う名刺交換」。元々は私が直接お伝えしたものとのことでしたが、しっかり実践に取り込んでいただいていました。

浦山さんによれば、看護職は名刺交換をしないので、その普段しない行為の真似事をしながら言葉を交わすことに新鮮味があり、人を探したり話しかけたりする中で場の熱量を上げていくのだそうです。プロジェクターにお題を出しておくこともあるそうで、実際のお題の事例もご紹介くださいました。

3つ目は、研修最後の感想を言い終えた後に3枚めくってコメントを追加してもらう、という使い方。「研修講師の期待に応えるのがみなさん上手い」ので、そうした「忖度」ともいうべき大人の配慮や、かっこいいセリフに対して揺らぎやズレをつくって予定調和を壊すのが狙いとのことでした。

特に場が沸き、共感を呼んだ話に、カタルタを「呪いを解くための道具」として位置付けているという話がありました。ちゃんとしなくちゃならない圧力や、予定調和に縛られている状況をみんな「呪われている」の一言に背負わせ、一気に共感を手繰り寄せた上で、カタルタの体験はさしずめ「除霊ワーク」だと。もちろん笑いを交えながら、しかし語りの口調はふざけず浦山さんはおっしゃるのでした。

思い込みや先入観、察しあい、しわ寄せ、責任感、コミュニケーション不全、コロナ禍でのストレス等々、いろんな要素がこの「呪い」の下に埋まっているように感じられます。こうしたニュアンスを一言で共有する。それは、ファシリテーターとしての現場力をひしと感じさせるものでした。

と、ここまで文章にしてきましたが、当然ながら実際のお話から声やリズムが剥ぎ取られてしまっています。これはとても残念なことです。声やリズム、トーンもまた浦山さんのトークの大きな魅力だと感じたからです。話を引き出す倉成さんの合いの手や問いかけも同様です。ゆったりとして本質的で、時にリズミカルな問いかけ。いつまでたっても人前で話すことに慣れない私も、安心してお話しできました。

参加された方の感想をいくつかご紹介させていただきます。

  • 「1時間とは思えないほど濃密な時間でした」
  • 「とにかく楽しく笑ってばかりでした」
  • 「緊急しましたが、暖かい雰囲気で安心しました」
  • 「ファシリテーターの役割は大きいと改めて思いました」
  • 「ずらす、緩めることで呪いから解く。視点を変える、という目的でこれまでもワークショップの中でカタルタを使ってきましたが、あらためて言語していただいてすっきり腑に落ちました!」
  • 「カタルタはアイスブレイクに有用だと思ってましたが、リフレクションに威力を発揮するという気づきを頂きました」
  • 「HPで紹介されている事例も拝見させていただいていますが、今回のように実際にレクチャーを受けるのもまた違った形で学びになりますし、カタルタを使っている(興味がある)方々の輪の中に入って学べるというのも有意義な時間でした」

多岐にわたってトークが展開されたため、当記事がカバーしているのは、大づかみにより抜いた内容です。実際には、ささやかな実践テクニックなども紹介され、好評の声を多数いただきました。使い方だけでなく、持てる技術やマインドを惜しみなくシェアいただいた浦山さん、それを深く楽しく引き出してくださった倉成さん、表情やコメントで積極的に参加いただいたみなさん、どうもありがとうございました。

私のZoom操作の手違いなど至らない点もありましたが、概ね充実感を感じていただけたようでした。参加者のみなさんとゲストのお二人のおかげです。優しい方が多かったのかもしれません。参加者のみなさんの表情が終始柔らかかったのが印象に残っています。

次回はいよいよ第1回。2月頃に開催の方向で調整しています。関心のある方、ぜひご参加ください。